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2018-06-07

今さら聞けない?「ハタヨガ」の意味とは?



今から10年近く前でしょうか、ヨガを始めてまだ間もなかった頃。
通っていたヨガスタジオに「ハタヨガ」や「ハタフロー」というクラス名が出ているのですが、「”ハタ”って一体何なんだろう。英語じゃなさそうだしな〜」と疑問に思っていたことを覚えています。その時は、きっとヨガの流派の名前だろう、くらいに思って深く追求しませんでしたが。

今やヨガスタジオには必ずといってよいほど「ハタヨガ」という名前のクラスがあり、少しでもヨガを知っている方なら「あ〜ハタヨガね」と共通言語になっているように思います。
でも、まだまだ一般的にはあまり理解されていない言葉です。ムサコヨガでも、ハタヨガのクラスがありますが、気になっていたけど今さら聞けないという方がいらっしゃるかもしれません。そんな方に向けて、「ハタヨガとは何か」について、今私が知っている範囲でシェアしたいと思います。

ヨガの種類

古代から伝わるヨガの種類は、「ラージャヨガ」、「ハタヨガ」、「ギャーナヨガ」、「バクティヨガ」、「クンダリーニヨガ」など、様々あります。

その中で「ハタヨガ」とは、身体的な鍛錬を重視しながら、呼吸法やムドラーやバンダといった手法を通して、瞑想に適した状態へと心と身体を整えていきます。
一方その他のヨガでは、ポーズの練習などはあまり重視されず、瞑想に向かう精神の修行や、哲学の探求、奉仕活動などを行います。
一般的なヨガスタジオやスポーツジムなどで開催されている「○○○ヨガ」と名前のついたものは、ほとんどが身体を動かすものだと思いますが、その場合はハタヨガに含まれると言ってしまって良いでしょう。

ハタヨガの意味

ハタヨガの「ハ」は太陽(陽)、「タ」は月(陰)という意味を持ち、あるいは「ハ」は右、「タ」は左と解釈することができます。
男性性と女性性、昼と夜、プラスとマイナス…この世界には様々な二極が存在します。 ハタヨガというのは、二極の相反するエネルギーのバランスがとれた調和した状態を目指すヨガなのです。
身体的にも精神的にもバランスのとれた穏やかな状態は、私たちが持っている本来の力を最大限発揮させてくれます。

自然界が本来完璧な調和を実現しているように、(そのバランスを崩してしまっているのは残念ながら私たち人間です…) 自然の一部である私たちも、本来の状態は調和がとれています。

尊敬するヨガの先生が、「自律神経は最高のお医者さんです」という素敵な表現をされていたのですが、全ての人に、心身のバランスを整えてくれる自律神経という素晴らしいシステムが備わっています。 ですが、心が様々な偏った見方や誤った見方をしてしまい、結果、ストレスや偏ったライフスタイルにより自律神経のバランスを乱してしまうのです。
ヨガは、この自律神経の乱れを整え、本来の健やかな状態へと導く手助けになるというわけです。

クラスで片鼻式の呼吸法を行うことがありますが、これはまさに右と左のエネルギーを調和する技法の一つで、自律神経に働きかけます。
呼吸法をする前に、左右の鼻の穴の前に、人差し指が床と平行になるように置いて、鼻から息を何度か吐いてみます。 そうすると、息の当たり具合で、左右どちらの鼻の穴が通っているか、あるいはつまっているのかがわかります。

ヨガは「Art of Living、生き方」ですから、 クラスの中や呼吸法をする時だけでなく、ハタヨガのヨギ(ヨガの練習者)は、生活の中でもこういったことをいつも意識して過ごします。私も最近この”鼻息チェック”を行って、今の自分の状態を知るように心がけています。私の場合、眠たい時やだるい時は、右鼻が詰まっていることが多いみたいです。

バランスのとれた生き方

息を吸う
息を吐く

活動
休息

受け取る
与える

話す
聞く

息を吸ってばかりで吐くことができないと生きていけないように、 活動しっぱなしで休むことを知らなければ、様々な不調が出てきます。
現代人は自分が思っている以上に長時間、目や脳を酷使していますから、スマートフォンや電子機器からなるべく意識的に離れるなどの工夫が必要かもしれません。

また、与えられてばかりだと、「これは自分のもの!」というエゴが強くなります。
自然からいただく様々な食べ物や資源に感謝し、お返しをするような気持ちで植物を育てることも良いアイディアだと思います。 例えば周りの人に”おすそ分け”するなど、受け取るだけでなくシェアするといったことも大切ですね。

バランスがとれているというのは、どちらか両極端に行きすぎていないということですが、かと言って、行ったり来たりしながらでよくて、定規で測ったようにちょうど真ん中でなくて良いのだと思います。

人よりも睡眠時間が短くても問題なく元気でいられる人がいるように、その人にとっての”ちょうど良いバランス”がきっとありますよね。

マットの上に限らず、普段の生活の中でできることがたくさんあります。

朝昼晩の食べる量のバランスや、内容のバランス。
働く時間、家族と過ごす時間、一人で過ごす時間、睡眠のバランス。
頭を使うことと、身体を使うことのバランス。

日々行なっている無数の選択が、
自分にとって調和的なものであるか
バランスがとれているか。

生活の中にヨガ的な視点を持って過ごしてみてはいかがでしょうか。
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