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2019-01-16

ヨガはピラティスと何が違うの?



以前、ヨガを始めて間もない生徒さんからこんなことを聞かれたことがあります。
「ヨガとピラティスって何が違うんですか?」

「ああ…そうきたか〜」
どストレートですが、なかなか良い質問です。

ヨガとピラティス、この2つは一般的に似ていると思われることが多く、ダイエットや健康増進の為に比較検討されることも少なくないようです。

初めに言っておくと、私としてはどちらが優れているとったことを言うつもりはないのです。
なぜならピラティスをやったことがないので。

ただ、その生徒さんに何とか分かりやすい回答を返さなければという使命感が働き、ちょっとピラティスについても調べてみました。
実際に経験したこともないのに、あれこれと語るべきではないというのを承知の上で、少しだけ、私なりに整理したヨガとピラティスについて書かせてください。

ヨガとピラティスの特徴、共通点

まずはピラティスについて、あくまでも一般的な情報をもとに書き出してみます。
ピラティスの特徴
・ピラティスは20世紀前半のドイツで考案され、第一次世界大戦時リハビリに用いられていた
・背骨や骨盤の動きにフォーカス
・体幹をはじめ全身の筋力を強化する
・マシーンを使うこともある
・呼吸に合わせて動き続ける
・正しい姿勢、正しい体の使い方が身につき、怪我の防止や運動パフォーマンス向上に貢献
きっとちゃんと学べばまだまだあると思いますが、ひとまずこれくらいでご勘弁ください。


ヨガの「ポーズ」の特徴
・呼吸と連動しながらポーズをとり、一定時間キープしながら体の各部位や「チャクラ」を意識化する
・ポーズには様々な動物の名前や賢者の名前がついていることが多い
・パワーを使うポーズでは筋力がUPする
・内臓、内分泌系、神経システムなどあらゆる部分に影響を与える

ヨガの特徴
・ヨガの起源は4,000年以上前インダス文明が栄えた頃
・ヨガは「アサナ(ポーズ)」や「プラーナーヤーマ(呼吸法)」だけでなく、「バンダ」、「ムドラ」、「マントラ」、瞑想など古代から伝わる様々なテクニックを組み合わせた心身鍛錬・浄化法
・クラス内容は、運動量が多く発汗を促すものから、瞑想やリラクゼーションを重視したクラスまで多岐に渡る
・ベースには哲学体系が存在している
・伝統的にポーズの練習を行わないヨガもある
(ポーズ中心のヨガが主流になったのは現代に入ってから)
・ヨガは肉体(行動)、心(感情や思考)、精神の調和をとること
・ヨガの究極の目的は神(永遠の真理)と個人の意識の合一
などなど

ピラティスもヨガも、より取り組みやすく実用的な面においては共通点を見つけることができます。
・身体や呼吸を意識化しコントロールする
・筋力強化、ストレッチ、バランスの要素が入っている
・正しく行えば筋力UP、基礎代謝UP、柔軟性の向上、緊張の緩和、正しい姿勢が身に付く 等 健康的な体作りに良い効果がたくさんある
・多くのアスリートやハリウッドセレブが基礎トレーニングとして取り入れている


しかしこれらの共通点は、ヨガの「ポーズ」の部分に限られています。

ヨガはピラティスとどう違うのか

一言でヨガがピラティス等のエクササイズと決定的に違う点は、対象が肉体にとどまらないということだと思います。

古代から伝わるヨガでは、様々なポーズを通して体を浄化したり強化したり柔軟にするのは、瞑想で長時間安定して座る為だと言われています。

肉体へのアプローチというのは、健康を維持増進するためのものであるだけでなく、より高次元のスピリチュアルな目的のための準備であるということ。

これは他のエクササイズや健康法と似て非なるものです。


また一言にヨガと言っても、ヨガには様々な種類、流派、スタイルがあり、それぞれ何を目的としているかによって内容も効果も変わってくるということ。
リラクゼーションを重視し体をあまり動かさないクラスもありますし、正しい体の使い方を重視するクラスもあれば、呼吸と連動してダイナミックに動くクラスもあります。


調べていく中で、インターネット上では様々な「ヨガとピラティスの違い」というタイトルの記事が上がっていましたが、中には
・ヨガは腹式呼吸を使いリラックスを重視
・ピラティスや胸式呼吸を使いコアの強化を重視
といった書き方をしている記事をいくつか見かけました。

完全に間違いではありませんが、きっとヨガを続けている方なら「ん?」とクエスチョンマークがつくのではないでしょうか。

確かにヨガでは腹式呼吸を積極的に用いてリラクゼーションを促す場合もありますが、それだけではありません。
腹式も、胸式も、鎖骨のあたりで行う呼吸も、全て使った「完全呼吸」を使ったり、ポーズによっては「胸式」呼吸が有効だったりします。またあえて呼吸を止めるテクニックもあります。

呼吸が大事だと散々言っておきながら、実はヨガの最終ゴールと呼ばれる「サマディ」という解脱の状態では、意識が肉体から離れ、呼吸も止まり、心の動きも完全に死滅した状態のことを言うのです。

ヨガは本当に奥深いですね。

インドから世界へとゆっくり時間をかけて伝わってきた中で、現代までに様々な流派・スタイルのヨガが生まれ、多くの人に誤解されたり、なかなか正しく理解されずに今まできているのだと思います。


ヨガだからこその魅力

私もヨガを始めたばかりの頃は、体がもっと引き締まったら、とかストレス解消、くらいにしか思っていませんでした。

でも、ヨガの学びを深めていくうちに、
「私、ヨガのこと全然分かってなかった!」ということに気づいたんです。
それもわりと最近のことで。

以前は胡散臭いとすら思っていた「チャクラ」のことなども、学んでいくとすごく興味深く、単なる”スピ系”ではなかったのだと反省しました。


ヨガでは体だけでなく、目に見えないものを扱います。
それはエネルギーや意識と言われます。

エネルギーを動かし、意識のレベルを上げていくことで心が解放され、何にも犯されることのない本当の喜びを感じることができます。
本当に大切なものが分かり、人生をよりよく生きていく大きな助けとなります。
これこそが私にとってはヨガを学ぶ意味だと思っています。


でも、目に見えないから、分かりにくいし、伝えるのが難しい。
ヨガをしたらこうなるんだよ!と写真付きで示すことができません。


もちろん、ヨガをしたことで筋力がついたり、肩こりが解消されたりといった目に見えた効果があるのは素晴らしいことですし、それだけでも日常生活にプラスになるでしょう。

でも、ヨガの効果や魅力がそれだけだとしたら、そこにヨガである必然性はあるのか?


効率よく体を鍛えたり姿勢を良くしたい、という方はきっとピラティスを続けることでも素晴らしい効果が出せるのではないでしょうか。
でも、もし体だけでなくより深い部分にアプローチしてみたい、と思われる方は、ヨガの扉をぜひ叩いてみてほしいのです。

ピラティスにはピラティスならではの素晴らしさがあるように
ヨガにはヨガならではの魅力がたくさんあります。

噂やネットの情報だけで判断せず、まずは体験してみてください。
様々なヨガの種類を試してみてください。

皆さんに少しでも”本物のヨガの魅力”を”分かりやすく”伝えられるように 私も日々実践を積みながら学びを継続していきたいと思います。
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